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空気の底

空気の底―The best 16 stories by Osamu Tezuka (秋田文庫)空気の底―The best 16 stories by Osamu Tezuka (秋田文庫)
(1995/07)
手塚 治虫

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戦争にかこつけて非道の限りをつくしていたレーバー中尉。
それが原因で銃殺刑が決定。しかしこれから処刑されると言うのに余裕の表情だ。
彼には切り札があった。
空気の底

レーバー中尉は過去に、ある薬の在り処をはかせる為に老人を拷問していた。
しかし長期の拷問にもまったく屈しず、体力の衰えも感じられない老人。

その薬とは、飲めば時間が通常の何倍もゆっくりと過ぎるという「時間延長剤」。
実は老人はバンソウコウに時間延長剤を染み込ませており、拷問の隙を見ては摂取し、
実際には僅かな時間でも、ゆっくり流れる薬の作用で十分な睡眠を取っていた為
体力の衰えがほとんどなかったのだ。
空気の底2

それに気付いたレーバー中尉はバンソウコウを奪い、老人は死に追いやられてしまう。
「この薬はきさまたちには使えん、使ってもむだだ」と捨て台詞を残して。

そしてレーバー中尉の処刑が決行される。
彼が死を目前にしても余裕だったのは、時間延長剤が染み込んだ
バンソウコウを身につけて処刑に臨んでいたからだった。
時間がゆっくり流れている間に逃げてしまおうというのがレーバー中尉の作戦だ。

時間延長剤のお陰で周りがスローモーションのようになる。
さて、ゆっくり逃亡でもしようかと行動に移すレーバー中尉。
空気の底3

しかしそこには大きな誤算があった・・・。
~「処刑は3時に終わった」より~

ザ・クレーターの大人版でも言いましょうか。様々な人間ドラマが集まった一冊です。
舞台は西部から宇宙まで、また幅が広くなっています。

ザ・クレーターとの違いは基本的に後味の悪い作品がほとんどという点です。
ハッピーエンドと言える何作かも、決して明るい作風ではありません。

そんな作品集の魅力とは?
他人の不幸でもダラダラ続いたらしんどいんですよ。
なのでこのページ数で様々な物語を見せてくれる(「覗かせてくれる」って表現の方が近いかな)
っていうのが調度いいバランスを保っていて目が離せません。

スパっとストーリーが終わるので、その後を読者に想像させる落ちというか、
明確にしない良さみたいなのが出ている作品が多いというのも魅力の一つです。
手塚先生が得意な終わらせ方ですよね。

今回「レーバー中尉」って名称がゲシュタルト崩壊起こしました。
私が連呼しすぎなのか?
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藤子・F・不二雄 異色短編集

ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
(1995/07)
藤子・F・不二雄

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いつも不思議な話をするマーちゃん。パパとママは子供の空想だと思って取り合わない。
しかしマーちゃんが円盤にのったうさぎちゃんから手紙を預かってきたことで事態は変わる。
何とそ手紙は脅迫状で「ヒョンヒョロ」を渡さないと誘拐するという内容だったのだ。

最初はうさぎちゃんの存在を信じていなかったパパとママだが、
やがて警察を呼んでの大騒ぎに発展する。
うさぎちゃんはどうやら宇宙人で不思議な力を持っているので逮捕することも出来ない。
仕方なく、マーちゃんの身の安全に為にパパと警察は
身代金にと現金や宝石を集めて脅迫状で指定された場所へ持って行くのだが・・・。
「ヒョンヒョロ」とは一体?
~ミノタウロスの皿「ヒョンヒョロ」より~

すごい作品ばかりの中、何故本作を取り上げたかというと問題のうさぎちゃんが・・・

見てくださいコレ!!
うさぎちゃん

コレ!!!!!
うさぎちゃん2

しかもデケェ!!!
うさぎちゃん3

うさぎちゃんのフィギュア物凄く欲しいんですけど。
「目をたがいちがいに」感が素晴らしすぎるんですけど。
※調べてみたらほんとにフィギュアありました。分かってらっしゃる・・・。

本作の落ちの意味ですが、もう一度読み返して納得しました。
脅迫状をマーちゃんが持ってきたというところがポイントだったりします。

F先生は児童漫画の巨匠というイメージだったんですが、見事に覆されました。

児童漫画家の描く大人向け作品?
古臭くて小難しいだけなら流し読みしてやろうくらいに思っていたのですが
いい意味でものすごく裏切られました。本作の評価が高い理由が分かりました。

何作かに出てくる世知辛い世の中は、今の社会がその後を辿っているようなものが多々あり
古臭いどころかその先見の明の凄さに驚きです。

ドラえもんでもお馴染みの「タイムマシン」・「タイムトラベル」。
この題材が多く出てくるのですが、一言に時間関係と言っても
様々な切り口で見せてくれて何とも巧い。
先生の時間旅行へ対する並々ならぬ思いがヒシヒシと伝わってきました。

ザ・クレーター

ザ・クレーター (1) (秋田文庫)ザ・クレーター (1) (秋田文庫)
(1994/07)
手塚 治虫

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人の感情、心は世界中の誰一人同じものはない。
「心」をテーマにした作品は人類の数か、その何十倍もの物語ができる。
その物語のいくつかを選んで紹介するという一話読切りのオムニバス形式ストーリー。

アメリカのスラム街に住むジム。
日本の裕福な家庭の隆一。

二人は意識を失う度にお互いの存在になっている夢を見ていた。

アメリカのスラム街でうだつの上がらない生活をしているジム。
クレーター4

将来の為にと自由を制約され、縛られる隆一。
クレーター5

そんな二人が現実に出会ってしまった。

お互いの存在が夢じゃなかったのかと驚くジムと隆一。
金が欲しいジムと自由が欲しい隆一はどちらがオリジナルか決着をつけようとする。
二人がみていた夢の正体とは・・・。
クレーター1
~「二つのドラマ」より~

笑いあり!シリアスあり!恐怖あり!感動あり!
宇宙人が出てくる回もあれば、容姿の美醜の価値観を問うもの、遭難した者、時間を遡る者と
幅が広く、落ちも後味の悪いものからスッキリ気持ちいいものまで
どれも甲乙つけがたいクオリティを保っています。

世にも奇妙な物語っぽいと言われていますので、
あのドラマがお好きな方にはどストライクなんじゃないでしょうか?

毎回違った設定、世界の話の作品なので、
短編集と言えば短編集でもあるのでしょうが、どの話も濃い!
どの回も起承転結がしっかりとしているのが1話完結の物語だからこそ浮き彫りになっています。

ブラックジャックを始め、手塚治虫先生は一話に物語を凝縮させるのが
本当に巧いと感心させられます。
プロフィール

チロリアン2世

Author:チロリアン2世
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